大腸がんの再発予防

大腸がんの再発予防はとても重要です。
大腸がんの再発」の項にあるように、大腸がんの切除を行なった患者さんの約27%が何らかの形で再発していますし、また、大腸がんの「ステージ」が上がれば上がるほど、再発の確率も高くなることが分かっています。

大腸がんの再発の予防の具体的な方法としては、まずは大腸がんの切除手術のあとも、こまめに検診を受けて、かりに再発があっても、再発がんが小さいうちに対処できるように心がけるべきでしょう。

さらに、大腸がんの再発予防法として、全身化学療法放射線療法があります。

◆ 全身化学療法
化学療法とは、「抗がん剤」を用いる治療法のことで、ステージIII期以降の進行がんの治療自体にも用いられます。
抗がん剤は、細胞分裂に作用し、がん細胞の増殖を抑える働きがあります。
ステージIII期以降の大腸がんは、切除が基本ですが、切除した後もこの抗がん剤の作用に期待して、もし見落としていたがんがあった場合はそれが再発、転移することを抑える目的で、抗がん剤を投与することがあります。
これを「全身化学療法」と言います。
抗がん剤の組み合わせにはいくつかのパターンがあり、症状などに応じて十分な検討が必要です。
また、大腸がんの切除手術後に、再発や転移を予防する目的で抗がん剤を投与することを、「術後化学療法」と呼び分けることもあります。

◆ 放射線療法
細胞分裂を活発に行なって増殖するがん細胞は、あたかも”悪魔の申し子”のような印象を受けますが、これが放射線に弱いことが分かっています。
ステージIII期以降の大腸がんは切除が基本ですが、化学療法や放射線療法はその補助として用いられます。
リンパ節転移が多数見られる場合や、大腸がんの周囲にもがんが広がっている場合には、大腸がんの再発予防の目的で、放射線療法を用いることがあります。
放射線には、がん細胞のDNAを破壊、分断する働きがあります。
ただ、正常細胞も同じようにDNAに損傷を受けてしまう上、そもそも正常細胞の向こう側(奥側)にがん細胞は存在するため、がん細胞に効く前に身体がまいってしまう場合もあるので注意が必要です。


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