大腸がんのレベルについて

大腸がんは、早期がんから進行がん、進行がんから他臓器転移と、どんどん進行する可能性があります。
この大腸がんの各レベルは、「ステージ」という専門用語を使って認識されています。

ステージは5つに分類されていますが、これらは大腸がんの「浸潤」と「転移」の度合いによって決まります。

●ステージ0(生存率94~100%)
大腸がんが大腸粘膜にとどまっている状態。
ほとんど内視鏡手術で完治します。

● ステージI期(生存率90~91%)
大腸がんが粘膜下層から固有筋層にとどまっている状態。
腹腔鏡手術か開腹手術を行ないます。
浅い場合や小さい場合は内視鏡でも取り除くことが可能な場合もありますが、リンパ節に転移している場合は腹腔鏡手術となります。

● ステージII期(生存率80~81%)
大腸がんが固有筋層を超えて浸潤しているが、リンパ節転移は見られないケース。
腹腔鏡手術を行ないます。

● ステージIII期(生存率 結腸がん68%、直腸がん59%)
大腸がんのリンパ節転移が認められる段階。
リンパ節転移の数によってさらにステージを二つに分けますが、治療法は同じです。
腹腔鏡手術か開腹手術を行い、手術後に補助的に化学療法放射線療法を施します。
腸壁の病変部と、リンパ節の切除が必要となります。

● ステージIV期(5年生存率10~25%)
大腸がんが肝臓や肺に転移している段階。
もちろん大腸がんを切除するだけでは足りないので、転移したがんも可能な限り切除を試みます。
補助療法として放射線療法や化学療法を施します。
大規模な手術、治療になるので、患者の体力がネックとなり、耐えられないと判断した場合は、苦痛を和らげながら死を待つという、哀しい治療方針に転換せざるを得ません。

なお、上記「ステージIV期」に「5年生存率」とあり、この数字に開きがあるのは、施された治療の度合いなどが関係しています。
大きな数字は、相応の治療を行なった場合のみのもので、このステージになると、大変な手術などを行なっても、5年生きられる確率がかなり低くなることが分かります。


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