大腸がんの再発について

大腸がんの再発については、早期がんのうちごく軽いもの以外は、「絶対に再発しない」と言うことはできません。
むしろ、大腸がんがいったん進行がんに進み、がんを全てきれいに切除できたとしても、微小なために見落としたがんがあり、それが再び大きくなるという形で、「がんの再発」を見ることはしばしばあります。

これは、大腸がんを切除できても、すでに他臓器などに転移していることを見逃したり、大腸がんそのものが大腸やその周辺に散らばっているものを見逃したり、といったケースが考えられますが、「、見逃す」と言っても必ずしもミスというわけではなく、大腸を含め他臓器やそのほかの器官は複雑な形をしている上に、それら同士もまた複雑にからみあっているため、小さながんはどうしても見落としてしまうことがあるのです。

大腸がんの内視鏡手術、腹腔鏡手術または拝復手術を行なった患者さんのうち、約17%の人に、何らかの形でがんの再発が見られます。

再発のタイミングとしては、約80%が術後3年以内、95%が5年以内に見つかります。
これは、「がんが再発した場合」の話であって、「大腸がんの95%が再発する」という意味ではありませんので、念のため添えます。

なお、スプレーするとがん細胞だけが光るという薬が開発されています。
これを使えば1ミリ程度の微小ながんも見落とすことがないので、見落としによる再発防止には威力を発揮するでしょう。

大腸がんが再発する箇所としては、肝臓、肺、局所(大腸がんを切除した場所の周辺)、吻合部(大腸がんの切除により、つなぎ合わせた場所)に多いものです。

また、大腸がんの「ステージ」ごとの再発の頻度としては、ステージ0はほぼ0%、ステージIのうち粘膜下層まで浸潤した大腸がんで1%、固有筋層まで至ったのもので6.5%、ステージIIでは約13%、ステージIIIでは30%が、再発の可能性があると考えられています。

上の確率は、もちろん信頼できる統計によるものですから、大腸がんの再発は「ありうる」という前提に立って、大腸がんの手術後も、まめに検診を受けて、大腸がんの再発予防に努めるべきです。


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