大腸がん検査
大腸がん検査は、まず「大腸がんになる前に検査する」という視点で捉えていただきたいと思います。
大腸がんは早期がんの段階で発見できれば100%完治しますが、進行がんに進むと、約20%の割合で肝臓や肺へ転移します。
転移してしまうと、治療は格段に難しくなります。
大腸がんの早期発見は、まさに生と死を分ける境目になります。
そして、大腸がん検査のタイミングは、自覚症状があるないにかかわらず、男女共に「40歳」と心得るべきです。
40歳と言えば、男性も女性も、働き盛りで、また社会においても重要な役割を担う年齢です。
大腸がんは老人がかかる病気と侮っていることは、医療現場の実情を知らない人の考えです。
また、大腸がんは「突然発症する」ものではありません。
長い期間を経て大腸がんとして発見されるのです。
大腸がん検査を始める年齢は、「40歳」はあくまでも目安であって、35歳胃からが”理想”化も知れません。
大腸がんの原因が「生活習慣」にあると考えられる以上、「絶対に大腸がんにかからない年齢」などというものはありえないからです。
◆ 直腸指診
医師が肛門から指を挿入して行ないます。
苦痛もほとんどなく、1~2分で終わりますが、肛門から10センチくらいの場所しか検査できないため、それよりも奥の検査には内視鏡検査が必要になります。
◆ 血液検査(腫瘍マーカー検査)
がん細胞が生成する特定のたんぱく質を、血液から探し出すものです。
採血だけで簡単に行なえますが、がんがある程度進行しないと反応が出ないので、大腸がんの早期発見のためには不向きです。
◆ 便潜血検査
腸の粘膜に生じたポリープや腫瘍は、便でこすれて出血することがあり、この血液が便に混じっているかどうかを検査する方法です。
検便のみで済むので、身体への負担は皆無です。
ただし、大腸がんからの出血は、陥凹型大腸がんや平坦型大腸がんでは発生しないため、便潜血検査は万能ではありません。 ◆ 注腸造影検査
肛門からバリウムを注入し、そののち空気を注入して、レントゲンで撮影します。
患者の苦痛が大きい割には、陥凹型・平坦型大腸がんは映像化されませんのであまり意味がありません。
◆ カプセル内視鏡検査
チューブの付いていない内視鏡を水と共に飲み込んで、約8時間後に肛門から排出されるまでの間に、大腸内を撮影するというものです。
約7リットルもの水を飲まなければならないため、患者への負担は軽いとは言えません。
◆ 内視鏡検査
肛門からチューブの付いた内視鏡を挿入して、大腸全体を検査することができ、陥凹型大腸がんも目視で発見しうる画期的で合理的な大腸がん検査の方法です。
詳細は「大腸がんの内視鏡検査」に譲ります。
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