肥満と大腸がん
肥満傾向の人は、大腸がんにかかりやすいと言われています。
ただし、大腸がんと食物の関係には解明されていない点も多く、そもそも、大腸がんの原因自体が不明確なのですから、「肥満が大腸がんの原因だ」と断言はできません。
ただ統計的に見て、肥満の人は大腸がんにかかりやすいと推測できる、ということになります。
WHOや厚生労働省の報告によれば、「肉中心の食生活が大腸がんをもたらすと考えうる」ということが指摘されています。
全世界的な統計は、特に食生活については人種などによって差異があると思われますが、「日本人の食の欧米化」などと言われて久しい昨今、けっして無視できる事柄ではないと思います。
肉について言えば、貯蔵や過熱によって発がん物質が発生することが知られており、肉や脂肪が腸内細菌に悪影響を与え、結果免疫システムが狂うことも指摘されていますので、肉が大腸にダメージを与え、また免疫システムにも直接的な悪影響を与えている可能性は、十分に推測することができるでしょう。
「大腸がんは生活習慣病の代表格」とも言われますが、そもそも「生活習慣」とは「食習慣」がその中心を成します。
そして、大腸に送り込まれるのは、私たちが口から入れた食物そのもののわけですから、私たちが食べるものと大腸がんが、密接な関係にあるということは想像に難くないでしょう。
ただ、肉や脂肪が絶対的にいけないわけではなく、重要なのはバランスです。
また、肥満と言っても、炭水化物を摂りすぎる食生活も肥満につながるわけですが、炭水化物そのものは大腸に悪影響を及ぼすとは考えられていませんので、「肥満」という”からだの外観”にとらわれすぎるのもいかがなものかと思います。
メタボリック症候群や肥っていない人のかかる糖尿病などを考えると、逆に「肥満していないから大腸がんにならない」と考えてしまうこともまた危険と言えるでしょう。
いずれにせよ、肥満気味の人は、大腸がんにかかる可能性を考えてみるべきです。
ダイエットに心がけると同時に、定期的な大腸がん検診をおすすめしたいところです。
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