大腸がんはどこに出来る?

大腸がんに限らず、がんというものの根本原因は遺伝子の変異と考えられています。

人間の身体を形成する細胞は、「核」と「膜」に分かれますが、その核の中に「がん遺伝子」が存在しています。

いわゆる「発がん性物質」が細胞を傷つけることによって、がん遺伝子が活動を始め、がんを生ぜしまるのです。

ただし、私たちの身体には毎日300個ものがんが発生しています。
これらは身体の免疫システムによって駆逐され、がんという病状には発展しませんが、何らかの原因でがんが消滅せず、長い時間をかけて大腸がんを発症するに至ります。


さて、大腸がんはどこに出来やすいかと言うと、まず直腸が40%、S状結腸が20%で、残る40%はそれ以外の箇所になります。

一般的に「大腸がん」と呼ぶのは、直腸がんとS状結腸がんです。

いずれの場所でも、大腸がんは進行すると腫瘍が大きくなり、便でこすれて出血したり、閉塞を起こして痛みを生じたりします。


大腸がんの出来る場所は、男女によっても差があります。

男性の場合、S状結腸に大腸がんが発生することが多く、女性の場合はなぜか、盲腸から横行結腸にかけての「右側結腸」の大腸がんが多いのです。


] 女性の大腸がんがなぜ「右側」に多いのかは、便秘と関係があるのではないかとも考えられてはいますが、まったく解明されていないのが現状です。

「右側」も謎ですが、大腸の6倍近くの長さを持つ小腸のがんが、大腸がんに比べると皆無に近いほど少ないというのも謎です。

おそらく、小腸は細胞の新陳代謝が大腸に比べて速いため、がん細胞が広がる前に新陳代謝してしまうからではないかと考えられます。

また、小腸は免疫システムの中枢を担うため、がん細胞のはびこりを許さない強いガード力を持っているのかもしれません。


なお、大腸がんのほとんどは、大腸粘膜にある「吸収上皮細胞」に出来る「腺がん」です。

ほかに粘液性腺がん、扁平上皮がん、カルチノイド(大腸では直腸に発生)、悪性リンパ腫(粘膜以外から発生)がありますが、腺がんに比べると、その発症率は微々たるものとなります。


このページの先頭へ